高齢者の居宅サービス10.福祉用具貸与とは
高齢者の居宅サービス10.福祉用具貸与の概要
介護サービスの種類のうち、居宅サービスの中の福祉用具貸与について解説させて頂きます。
居宅サービス | 地域密着サービス | 施設サービス |
①訪問介護 | ①定期巡回・随時対応型訪問介護 | ①介護老人福祉施設(特養) |
②訪問入浴介護 | ②夜間対応型訪問介護 | ②介護老人保健施設 |
③訪問看護 | ③認知症対応型通所介護 | ③介護療養型医療施設 |
④訪問リハビリテーション | ④小規模多機能型居宅介護 | 居宅介護支援 |
⑤居宅療養管理指導 | ⑤複合型サービス | 住宅の改修 |
⑥通所介護 | ⑥認知症対応型共同生活介護 | 福祉用具の購入 |
⑦通所リバビリテーション | ⑦地域密着型特定施設入居者生活介護 | |
⑧短期入所生活介護 | ⑧地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 | |
⑨短期入所療養介護 | ||
※⑩福祉用具貸与 | ||
⑪特定施設入居者生活介護 |
<福祉用具貸与とは>
福祉用具貸与(レンタル)は、在宅介護に必要な用具を、費用の1割の自己負担費用で借りることができるサービスです。対象の用具は、全13種類で、要支援から要介護1までの人は4種類です。都道府県または市区町村の指定を受けた事業者から借りることになります。福祉用具は、日常的に利用するものが対象となっており、価格は自由価格で、搬送費やメンテナンス料等を含んでいます。事業所によりメンテナンスやモニリングの有無もかわってきます。福祉用具の貸与を希望するは際は、まずはケアマネジャーに相談し、事業者への連絡はケアマネジャーから行われるのが一般的です。店には、福祉用具専門相談員という専門家が配置されているので、身体の具合や環境に合わせた用具選びをサポートしてもらえます。
<高齢者の福祉用具の種類>
種類 | 要介護度 | 説明 | 負担目安※ | |
① | 車椅子 | 要介護2以上 | 利用者が自分で動かす『自走用』、介護者が押す『介助用』、利用者がレバーで移動する『電動』の3タイプがあります。 | 自走用300円 介助用400円 電動2,000円 |
② | 車椅子付属品 | 要介護2以上 | クッションやパッド、車いす用テーブルなどです。 | 100円~300円 |
③ | 特殊寝台(介護ベッド) | 要介護2以上 | サイドレール付き、または取り付けが可能なもののうち、背中や脚の傾き、高さが調整できるものがあります。 | 1,000円 |
④ | 特殊寝台付属品 | 要介護2以上 | マットレスや手すり、テーブルなどです。 | サイドレール50円、テーブル300円、マットレス200円 |
⑤ | 床ずれ防止用具 | 要介護2以上 | 体圧分散効果の高い材質のマットレス、または空気圧の調整装置を備えたウォーターマットレスなどです。 | 700円 |
⑥ | 体位変換器 | 要介護2以上 | 寝ている人の体位を変えるのに役立つ専用のクッションなどです。手動式や自動式があります。 | 200円~800円 |
⑦ | 移動用リフト(吊り具部分を除く) | 要介護2以上 | 自力で移動できない人の体を吊り上げ、ベッドから他の場所への移動を補助する器具。大がかりな取り付け工事を伴わないものです。 | 1,500円 |
⑧ | 認知症老人徘徊感知器 | 要介護2以上 | 認知症の人が屋外に出ようとしたときなどに、センサーで感知して家族にしらせます。 | 700~1,000円 |
⑨ | 手すり | 要支援1以上 | 床に置くタイプや、便器などを囲むように設置するタイプなど、大掛かりな工事を伴わないものです。 | 床置き式起き上がり用200円、握りバー300円 |
⑩ | スロープ | 要支援1以上 | 段差を解消するためのもので、大掛かりな取り付け工事を伴わないものです。 | 700円 |
⑪ | 歩行器 | 要支援1以上 | 移動する際に体重を支えたり歩行を助ける機能があるものです。 | 300円 |
⑫ | 歩行補助つえ | 要支援1以上 | 松葉づえ、T字杖、多点杖、ロフストランド・クラッチといった種類があります。 | 100円 |
⑬ | 自動排泄処理装置 | 要介護4以上 | 尿と便が自動的に吸引でき、尿や便の経路となる部分が分割できるものです | 800円 |
※自己負担費用目安は、福祉用具貸与価格は、各事業所が設定できることになっており、標準価格というものが設定されていません。あくまで一般的な価格を掲載しています。(1単位10円で計算しています)
<サ高住・有料老人ホームと福祉用具貸与>
サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームのうち特定施設となる施設の場合は、介護保険が『特定施設入居者生活介護』というサービスを利用することになるため『福祉用具貸与』を利用することができません。ただし、サ高住や有料老人ホームの運営会社によって介護用ベッドや車いすの利用が標準サービスに含まれているところ、含まれていないところがあります。十分な確認を行うようにしましょう。
<福祉用具を借りられない場合の対処>
要介護認定の関係や、上記で解説したように特定施設の場合、福祉用具貸与で認められているもの以外の介護用品を使いたいという場合は、介護保険を使って介護用品を借りることができません。このような場合は、以下ような方法を検討しましょう。
①市区町村などに申請する
要支援や要介護1などで、利用ができない場合は、ケアマネジャー等に相談の上、市区町村の介護福祉課等に相談しましょう。特例措置として介護保険での利用が可能となる場合があります。
②自己負担費用でレンタル
すべて自己負担費用になりますが、購入ではなくレンタルで介護用品を貸してもらえる事業者もあります。次回の介護認定により、介護保険でレンタルできる可能性もありますので、急いで購入するのではなく自己負担費用でレンタルするということも検討しましょう。
③ネットショップなどで購入する
ネットショップは、介護ショップよりも格安の場合も多く、品ぞろえも多いです。また、介護保険の対象外の多様な介護用品が販売されています。一度ネットショップを見てみてはいかがでしょうか。
<まとめ>
福祉用具貸与の料金は、用具の種類、性能、事業者の料金設定によって様々です。機能や使い勝手、料金、メンテナンスの有無などを総合的に判断して納得できるものを利用しましょう。介護保険限度額との兼ね合いもありますので、ケアマネジャーさんともしっかり相談する良いでしょう。
11.特定施設入居者生活介護
介護サービスの種類のうち、高齢者の居宅サービスの中の特定施設入居者生活介護について解説させて頂きます。
居宅サービス | 地域密着サービス | 施設サービス |
①訪問介護 | ①定期巡回・随時対応型訪問介護 | ①介護老人福祉施設(特養) |
②訪問入浴介護 | ②夜間対応型訪問介護 | ②介護老人保健施設 |
③訪問看護 | ③認知症対応型通所介護 | ③介護療養型医療施設 |
④訪問リハビリテーション | ④小規模多機能型居宅介護 | 居宅介護支援 |
⑤居宅療養管理指導 | ⑤複合型サービス | 住宅の改修 |
⑥通所介護 | ⑥認知症対応型共同生活介護 | 福祉用具の購入 |
⑦通所リバビリテーション | ⑦地域密着型特定施設入居者生活介護 | |
⑧短期入所生活介護 | ⑧地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 | |
⑨短期入所療養介護 | ||
⑩福祉用具貸与 | ||
※⑪特定施設入居者生活介護 |
<特定施設入居者生活介護とは>
特定施設入居者生活介護は、利用者が可能な限り自立した日常生活を送ることができるよう、指定を受けた有料老人ホームや軽費老人ホームなど※が、食事や入浴などの日常生活上の支援や、機能訓練などを提供するものです。
※特定施設になりえる施設・住宅
※介護付有料老人ホーム介護付有料老人ホーム
※養護老人ホーム
※軽費老人ホーム
※サービス付き高齢者向け住宅
高齢者の介護付、ケア付きという表記は、都道府県知事から『特定施設入居者生活介護』の事業者指定を受けなればいけません。
<一般型と外部サービス利用型>
特定施設には、ケアプランの作成からサービスの提供まで施設の職員が行う『一般型』と、ケアプラン作成は施設の職員が行い、実際の介護サービスは外部の事業者が担当する『外部サービス利用型』があります。『一般型』の場合は、原則として1日当たりの介護費用が一定になります。(定額利用)これに対し、『外部サービス利用型』は、基本サービス費の他に利用したサービスごとに費用を払う必要があります。
<一般型と外部サービス利用型の違い>
一般型 | 外部サービス利用型 | |
介護費用 | 定額 | 使った分だけ |
ケアプランの作成者 | <----ホームのスタッフ(ケアマネージャー)----> | |
介護サービスの実施 | ホームのスタッフ | ホームから委託された外部の事業者 |
メリット | ・介護費用が一定で安心 ・24時間体制で安心 | ・個別の要望に合わせた介護が可能 |
デメリット | ・ホーム主動の介護 (個別の要望に応じずらい環境) | ・簡単なことを頼みずらい ・介護費用が高額になる可能性がある |
<設備に関する基準>
※居室、介護専用居室、一時介護室、浴室、便所、食堂、機能訓練室を設置している必要があります。
※介護専用居室は以下の条件を全て満たす必要があります。
・原則個室(夫婦利用の場合は2人部屋)
・介護(ケア)付きの表示
・プライバシー保護が配慮され、適当な広さを有すること(有料老人ホーム:13㎡以上)
・地階でなく出入口が緊急非難時に問題無い
※車椅子での移動が容易な空間と構造を確保する必要があります。
<運営に関する基準>
介護保険の指定事業者として守るべき義務等についてきめ細かく定められています。
※利用者に応じた特定施設サービス計画が作成されている必要があります。
※利用申込者に対して、運営規程の概要、職員の勤務体制などの重要事項等を事前説明し、同意を得た上でサービス提供を行なう必要があります。
※自ら入浴が困難な利用者については1週間に2回以上入浴又は清拭する必要があります。
※従業員の資質向上に資する為に研修の機会が確保されている必要があります。
※家族及び地域との連携が充分にとれている必要があります。
その他多数
<高齢者の自己負担費用目安>
1単位10円換算しています。
※一般型施設の自己負担費用目安(1日)
介護度 | 自己負担費用額 |
要支援1 | 196円 |
要支援2 | 453円 |
要介護1 | 560円 |
要介護2 | 628円 |
要介護3 | 700円 |
要介護4 | 768円 |
要介護5 | 838円 |
※その他加算
加算 | 自己負担費用額 |
個別機能訓練 | 12円/1日 |
夜間看護体制 | 10円/1日 |
医療機関連携 | 80円/1ヶ月 |
※外部サービス利用型
介護度 | 自己負担費用額 |
要支援1~2 | 58円/1日 |
要介護1~5 | 86円//1日 |
※外部サービス利用型においての居宅サービス提供の自己負担費用
サービス | 時間 | 自己負担費用額 |
訪問看護・身体介護 | 15分未満 | 99円 |
15分以上30分未満 | 198円 | |
30分以上1時間30分未満 | 270円+30分から起算して90円/15分毎 | |
1時間30分以上 | 577円+1時間30分から起算して50円/15分毎 | |
訪問介護・生活援助 | 15分未満 | 50円 |
15分以上1時間未満 | 99円+15分から起算して50円/15分毎 | |
1時間以上1時間15分未満 | 225円 | |
1時間15分以上 | 270円 | |
訪問介護・通院の乗降介護 | 1回 | 90円 |
他の訪問系・通所系 | 90/100 | |
福祉用具貸与 | 通常と同様 |
<まとめ>
特定施設に高齢者が入居する場合には、介護費以外の生活費は自己負担費用となります。そこで、費用面でしっかりとした下調べが必要です。
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